アオギス(青鱚)の秘密すべてご紹介!基礎知識からおもしろ雑学までやさしく解説

絶滅危惧種のキス、「アオギス」。
一般的に国内で食べられているキスは、シロギスがほとんどです。
シロギスの方が身が柔らかく美味しいということで、日本では好まれてきました。
アオギスはシロギスより大型のキスで、古くは多く漁獲されていました。
しかし近年は、絶滅危惧種としてできる限り漁獲しないよう対策が各地で行われています。

基礎知識からおもしろ雑学まで、今日はアオギスの秘密すべてご紹介します。

アオギス(青鱚)の基本情報

アオギス

アオギス(青鱚)の種類・寿命

アオギスは顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目キス科キス属に属します。
ギス属のなかまには、「シロギス」「ホシギス」「モトギス」などがいます。

アオギスは1歳で16センチ程度、2歳で22センチ程度と、3歳で26センチ程度まで成長します。
また、アオギスの寿命は5年ほどです。

アオギス(青鱚)の生態・食性

アオギスは千葉県から沖縄県に広く分布しており河口付近や干潟などに生息しています。
アオギスは雑食性で甲殻類やゴカイなどを食べて生活しています。

また、アオギスの産卵期は6月頃です。

アオギス(青鱚)の特徴と代表産地

外見 体長は50センチ程度
体形は細長い
体色は青みがかった灰色
シロギスに似ている
第二背ビレに黒い斑紋がある
シロギスより味が落ちる
上品な味わい
透明感のある白身
熱しても硬くならない
柔らかくジューシー
ウロコが細かく硬い
3月~7月
漁方 釣り
産地 大分県
山口県

アオギス(青鱚)の由来の秘密

アオギス(青鱚)の由来

キスは、地方名である「キスゴ」が本来の呼び名です。
性質が素直で飾り気のない(生直(きす))魚(ご)という意味です。
岸に多く見られることから「キシ」と呼ばれ、それが転じ「キス」と呼ばれたという説もあります。

また、体色が青みがかった灰色ということから、「アオギス」と呼ばれています。

アオギス(青鱚)を漢字で書くと「青鱚」

アオギスを漢字で書くと「青鱚」です。
キスはめでたい時によく食べられていたことから、魚ヘンに「喜」で「鱚」と書きます。
また、アオギスは体色が青みがかっていることから「青鱚」と書きます。

アオギス(青鱚)を英語で書くと「Sillago」

アオギスを英語で書くと「Sillago」です。
「Sillago」はキスという意味です。
日本ではシロギスの方が一般的ですが、世界的にはアオギスの方が一般的なのです。

アオギス(青鱚)の栄養

アオギスは高タンパク低脂質な食材です。
どのような栄養があるかまとめました。

・タンパク質(筋肉細胞の維持、免疫力高上)
・DHA(脳細胞の活性化や脳の発達に働きかける)
・EPA(血液をサラサラにし、中性脂肪を下げる)
・カリウム(細胞内の浸透圧を調整、むくみ防止)
・コラーゲン(皮膚の弾力や損傷を修復)
・ビタミンA(皮膚や粘膜を正常に保つ)
・ビタミンB群(神経の機能の正常化)
・ビタミンE(抗酸化作用)
・ビタミンD(カルシウムの吸収を促進)
・カルシウム(骨を強くし骨粗鬆症を予防)
・鉄分(貧血の防止)
・亜鉛(肌荒れ予防)
・グルタミン酸(興奮系の伝達物質を分泌させる)
・グリシン(肌のハリと弾力を保つ)
・ロイシン(筋肉のエネルギー源)
・リジン(カラダの免疫力を高める)
・パントテン酸(糖質、脂質の代謝を促す)
・アスパラギン酸(ミネラルを体内に取り込む)
・アラニン(二日酔いの改善)
・プロリン(コラーゲンの生成を促す)

アオギス(青鱚)の目利きポイント!

アオギス(青鱚)にも個体差は必ずあります。一人ひとりみんな個性があるようにアオギス(青鱚)にも個性があります。下記をご参考にわたし好みのMyアオギス(青鱚)を是非見つけてください。

1.透明感がある
2.体色が少し赤みがかっている
3.目が黒く澄んでいる
4.身に張りがある
5.エラが鮮やかな赤

よくわからない!という方ご来店ください。店主が詳しく解説します。
いつもと違う見方をすると魚選びがとっても楽しくなります。

キス(キスゴ)のさばき方

店主がキスゴの開きを1ステップずつ丁寧にご紹介します。

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アオギス(青鱚)のおもしろ情報

アオギス(青鱚)の地方名

アオギス(青鱚)は地域によりユニークな名前で呼ばれています。

・アヲギス:福岡県、神奈川県
・カラカサ:徳島県
・カワギズ:東京都、神奈川県、千葉県
・ギス:大分県
・サンネンビエ:東京都
・ドウショウギス:広島県
・ナカネ:徳島県
・ボラギス:東京都、神奈川県、千葉県
・ヤギス:東京都、神奈川県、千葉県
・ロウソク:徳島県

アオギス(青鱚)の付く地名

キス(鱚)が付く地名

・碇ケ関諏訪平(いかりがせきすわだいら):青森県平川市
・息栖(いきす):茨城県神栖市
・浮洲町(うきすちょう):新潟県新潟市中央区
・沖洲(おきす):茨城県行方市
・沖須町(おきすまち):大分県宇佐市
・小月杉迫(おづきすぎさこ):山口県下関市
・上積翠寺町(かみせきすいじまち):山梨県甲府市
・木次町宇谷(きすきちょううだに):島根県雲南市
・木次町上熊谷(きすきちょうかみくまたに):島根県雲南市
・木次町木次(きすきちょうきすき):島根県雲南市
・木次町北原(きすきちょうきたはら):島根県雲南市
・木次町北原尾白(きすきちょうきたはらおじろ):島根県雲南市
・木次町里方(きすきちょうさとがた):島根県雲南市
・木次町下熊谷(きすきちょうしもくまたに):島根県雲南市
・木次町寺領(きすきちょうじりょう):島根県雲南市
・木次町新市(きすきちょうしんいち):島根県雲南市
・木次町西日登(きすきちょうにしひのぼり):島根県雲南市
・木次町東日登(きすきちょうひがしひのぼり):島根県雲南市
・木次町平田(きすきちょうひらた):島根県雲南市
・木次町山方(きすきちょうやまがた):島根県雲南市
・木次町湯村(きすきちょうゆむら):島根県雲南市
・木須町(きすちょう):佐賀県伊万里市
・木月住吉町(きづきすみよしちょう):神奈川県川崎市中原区
・木造浮巣(きづくりうきす):青森県つがる市
・下積翠寺町(しもせきすいじまち):山梨県甲府市
・附洲新田(つきすしんでん):千葉県香取市
・碧水(へきすい):北海道雨竜郡北竜町
・松ケ崎杉ケ海道町(まつがさきすぎがかいどうちょう):京都府京都市左京区
・三崎町引砂(みさきまちひきすな):石川県珠洲市
・南沖須賀(みなみおきすが):高知県宿毛市

アオギス(青鱚)のまとめ

アオギスは古くは多く漁獲されていましたが、干潟の埋め立てなどの影響により絶滅危惧種となってしまいました。
漁業としては漁獲を避けている魚ですが、釣りの対象魚としては人気が未だにあります。
シロギスと比較すると大きいため、引きが強いため人気の魚となっています。
シロギスの方が味わいも美味しいので、アオギスはリリースしてあげましょう。

ご興味のある方は、お問い合わせください。

きのした生魚店には個性あふれる鮮魚が揃っています。

今日もいい一日になりますように。

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