ザ魚問答|白身魚と赤身魚の境界線

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ザ魚問答
おはようございます。

魚売り場へ行くと、「白身魚」と「赤身魚」という言葉をよく見かけます。

タイやヒラメは白身魚。

マグロやカツオは赤身魚。

これは多くの人が知っている分類でしょう。

しかし、少し考えてみると不思議なことがあります。

サケは赤っぽい身なのに白身魚と言われます。

ブリは少し赤みがあるのに白身魚です。

では、一体どこに境界線があるのでしょうか。

実は、魚の身の色だけでは白身魚と赤身魚は決まりません。

その違いは、魚の体の中で使われる筋肉や、生き方と深く関係しています。

今回は、白身魚と赤身魚の境界線について、魚の体の仕組みや進化、生態と合わせて詳しく見ていきましょう。

1. 白身魚と赤身魚は色で決まるわけではない

白身魚と赤身魚という名前を聞くと、多くの人は身の色だけで決まると思っています。

確かに、マグロは赤く、タイは白く見えます。

しかし、それだけでは説明できない魚もたくさんいます。

代表例がサケです。

切り身を見ると鮮やかなオレンジ色をしています。

ところが、分類上は白身魚になります。

逆に、一見それほど赤く見えない魚でも、赤身魚に分類されるものがあります。

つまり、見た目だけでは判断できないということです。

魚博士モードで説明すると、白身魚と赤身魚は筋肉に含まれる「ミオグロビン」という色素タンパク質の量によって分類されています。

この違いが、魚の色だけでなく、生き方まで左右しているのです。

2. 赤身魚は泳ぎ続ける魚だった

赤身魚の最大の特徴は、長時間泳ぎ続けられることです。

代表的なのはマグロ、カツオ、サバなどです。

これらの魚は広い海を回遊し、一日中泳ぎ続けています。

泳ぐためには大量の酸素が必要です。

そこで活躍するのがミオグロビンです。

ミオグロビンは筋肉の中で酸素を蓄える働きをしています。

酸素を多く蓄えられるため、長時間泳ぎ続けても筋肉が疲れにくくなるのです。

その代わり、ミオグロビンが多い筋肉は赤く見えます。

つまり、赤身魚は「赤いから赤身」ではなく、「泳ぎ続けるための筋肉だから赤くなる」というわけです。

色は結果であり、本当の違いは筋肉の働きにあります。

3. 白身魚は瞬発力で勝負する

一方、白身魚の多くは普段あまり泳ぎ回りません。

ヒラメやカレイは海底でじっとしています。

タイも回遊魚ほど長距離を泳ぐことはありません。

敵が近づいたときだけ、一気に泳いで逃げます。

このような生活では、長時間使う筋肉は必要ありません。

必要なのは瞬間的に大きな力を出す筋肉です。

そのため、ミオグロビンは少なく、筋肉は白っぽく見えます。

これが白身魚と呼ばれる理由です。

つまり、白身魚は「短距離ランナー」、赤身魚は「マラソンランナー」のような違いがあるのです。

4. サケが白身魚なのはなぜ?

魚売り場で最も混乱しやすい魚がサケです。

身は赤やオレンジ色なのに、白身魚として扱われています。

これは筋肉が赤いからではありません。

サケの色は、食べ物に含まれる色素によるものです。

エビやオキアミなどに含まれるアスタキサンチンという色素が体内へ蓄積されることで、あの鮮やかな色になります。

つまり、サケ自身の筋肉が赤いわけではありません。

もし色素を含まないエサだけで育てると、身はかなり白っぽくなります。

このため、生物学的には白身魚に分類されているのです。

見た目と分類が一致しない代表例と言えるでしょう。

5. ブリやアジはどちらなの?

ブリやアジを見ると、白身魚とも赤身魚とも言えそうな色をしています。

実は、このような魚は「中間型」と考えると分かりやすくなります。

分類上は白身魚ですが、回遊性があり、比較的よく泳ぎます。

そのため、ミオグロビンもある程度含まれています。

完全な白ではなく、少し赤みを帯びる理由がここにあります。

魚は白か赤かだけではありません。

生活スタイルに合わせて、その中間の特徴を持つ魚も数多く存在しているのです。

6. 味の違いにも筋肉が関係している

白身魚は上品で淡泊な味。

赤身魚は濃厚でうま味が強い。

そんな印象を持つ人も多いでしょう。

実はこれも筋肉の違いが関係しています。

赤身魚は筋肉をたくさん使うため、血液量やミオグロビンが多く、鉄分も豊富です。

そのため、コクのある味になります。

一方、白身魚は脂や繊細な甘みを楽しめる魚が多く、刺身や蒸し料理でも素材の味が引き立ちます。

料理方法が異なる理由も、この筋肉の違いが影響しているのです。

7. 魚の運動量が色を決める

同じ海に暮らしていても、魚によって運動量は大きく違います。

海底でじっと待ち伏せする魚。

岩陰で暮らす魚。

沖合を何百キロも泳ぐ魚。

生活スタイルが違えば、必要な筋肉も変わります。

その結果、白身になったり赤身になったりします。

つまり、色は魚の生き方を映す鏡なのです。

魚の身を見るだけで、その魚がどんな暮らしをしているのか、ある程度想像できるのはとても面白いことです。

8. 人間の筋肉とも少し似ている

実は、人間の筋肉にも似たような違いがあります。

短距離走で使う筋肉。

マラソンで使う筋肉。

役割が異なります。

魚も同じです。

瞬発力を重視する筋肉。

持久力を重視する筋肉。

どちらが優れているという話ではありません。

暮らし方に合わせて最適な筋肉へ進化した結果なのです。

魚を見ると、人間の体の仕組みとも共通点が見えてきます。

9. 境界線は一本ではない

白身魚と赤身魚は、きれいに二つへ分けられるわけではありません。

白身寄りの魚。

赤身寄りの魚。

その中間に位置する魚。

さまざまな種類があります。

生物の世界では、このような「境界」が意外と多く存在します。

だから分類が難しい魚もいるのです。

境界線とは一本の線ではなく、少しずつ変化するグラデーションなのかもしれません。

10. 魚の色は生き方の証だった

赤身魚は泳ぎ続けるための体。

白身魚は瞬発力を生かす体。

どちらも生きるために進化した結果です。

魚は見た目だけで体が作られているわけではありません。

毎日の生活に合わせて、筋肉も色も進化してきました。

つまり、魚の身の色は、美しさではなく、生き方そのものを表しているのです。

11. まとめ

白身魚と赤身魚の違いは、見た目だけではありません。

筋肉の種類。

ミオグロビンの量。

泳ぎ方。

生活スタイル。

こうした違いが積み重なって分類されています。

サケが白身魚なのも、ブリが中間的な特徴を持つのも、すべて魚が選んできた生き方の結果です。

魚売り場で切り身を見ると、つい色だけに目が行きます。

しかし、その色の向こうには、何百万年もかけて進化してきた魚たちの暮らしがあります。

次に魚を食べる機会があれば、「この魚はどんな泳ぎ方をしていたのだろう」と想像してみてください。

白身と赤身の境界線が、きっと今までより面白く見えてくるはずです。

ご興味のある方は、お問い合わせください。

きのした生魚店には個性あふれる鮮魚が揃っています。

今日もいい一日になりますように。

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