ザ魚問答|なぜ鮭はオレンジ色なの?

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ザ魚問答
おはようございます。

スーパーで見かける鮭の切り身といえば、美しいオレンジ色を思い浮かべる人が多いでしょう。

実は、この鮮やかな色は生まれつきではありません。

もし鮭が違うものを食べて育ったら、私たちが知る色にはならないのです。

では、なぜ鮭だけが美しいオレンジ色になるのでしょうか。

そこには、自然界の食物連鎖と、長い進化の歴史が深く関わっています。

今回は、鮭がオレンジ色になる理由から、天然物と養殖物の違いまで、意外と知られていない秘密を分かりやすく解説します。

1. 鮭は生まれたときからオレンジ色ではない

鮭は、生まれた瞬間からオレンジ色をしているわけではありません。

卵からふ化したばかりの稚魚は、体が細く透明感があり、一般的な魚とほとんど変わらない色をしています。

成長して川で暮らす時期も、銀色や灰色が中心で、身の色も白っぽい状態です。

私たちが食べる鮭のような鮮やかなオレンジ色になるのは、海へ下ってからです。

海には鮭の色を変える特別な栄養が豊富に存在しています。

そこで長い年月をかけて餌を食べ続けることで、少しずつ体の中に色素が蓄積されていきます。

つまり、鮭の色は遺伝だけでは決まりません。

毎日の食事によって作られた色なのです。

これは人間が野菜を食べて栄養を取り入れるのと似ています。

食べたものが体を作るように、鮭も食べたものによって体の色まで変化していくのです。

2. オレンジ色の正体はアスタキサンチン

鮭をオレンジ色にしている正体は、「アスタキサンチン」という赤い色素です。

この色素は自然界に広く存在するカロテノイドの一種です。

エビやカニ、イクラにも含まれており、美しい赤色やオレンジ色を生み出しています。

アスタキサンチンには非常に強い抗酸化作用があります。

紫外線や激しい運動によって発生する活性酸素から細胞を守る働きがあると考えられています。

鮭は何千キロも泳ぎ続ける魚です。

そのため、筋肉への負担も非常に大きくなります。

アスタキサンチンは、その過酷な生活を支える重要な成分でもあるのです。

つまり、鮭の美しい色は見た目だけではありません。

長距離を泳ぎ抜くための体作りにも役立っていると考えられています。

3. 鮭は何を食べてオレンジ色になるの?

鮭がアスタキサンチンを自分で作ることはできません。

餌から取り入れる必要があります。

海へ出た鮭は、オキアミや小型のエビ、小さな甲殻類などをたくさん食べます。

これらの生き物にはアスタキサンチンが豊富に含まれています。

さらに、そのオキアミも微細な藻類を食べています。

実は、色素の始まりは植物プランクトンなどの小さな藻類なのです。

藻類からオキアミへ。

オキアミから鮭へ。

このように食物連鎖によって色素が受け継がれていきます。

自然界では、食べ物の色が次の生き物へと引き継がれていく仕組みがあります。

鮭のオレンジ色も、その長い命のつながりによって生まれているのです。

4. 白身魚なのにオレンジ色なのはなぜ?

意外ですが、鮭は分類上では白身魚です。

身がオレンジ色なのに白身魚と聞くと、不思議に感じる人も多いでしょう。

魚は筋肉の性質によって白身魚と赤身魚に分けられます。

赤身魚はマグロやカツオのように、ミオグロビンという赤い色素が多く含まれています。

一方、鮭はミオグロビンが少ないため、本来は白身魚に分類されます。

つまり、鮭のオレンジ色は筋肉そのものの色ではありません。

餌から取り入れたアスタキサンチンが筋肉へ蓄積した結果なのです。

そのため、見た目は赤っぽくても分類は白身魚という少し珍しい存在になっています。

5. 天然鮭と養殖鮭では色に違いがある

天然の鮭と養殖の鮭では、色合いに違いが見られることがあります。

天然の鮭は、その年の餌や生息する海域によって色が変化します。

オキアミをたくさん食べた個体ほど、濃いオレンジ色になる傾向があります。

一方、養殖の鮭も自然と同じような色になるよう工夫されています。

もし通常の餌だけを与えると、身は白っぽいままになってしまいます。

そのため、養殖ではアスタキサンチンを含む餌を与えています。

これは天然でも摂取している成分と同じ種類の色素です。

その結果、私たちが店頭で見慣れた美しい色合いになります。

色を作る仕組み自体は、天然も養殖も基本的には同じなのです。

6. 色が濃い鮭ほどおいしいの?

鮮やかな色を見ると、おいしそうに感じる人は多いでしょう。

しかし、色が濃いほど必ずしも味が良いとは限りません。

おいしさは脂の量や鮮度、水分量、種類など、さまざまな要素で決まります。

例えば、紅鮭は色が濃く、うま味が強いことで知られています。

一方で、脂が豊富なのはアトランティックサーモンなどです。

どちらがおいしいかは好みによって変わります。

色だけで品質を判断することはできません。

色はあくまで餌の影響を受けた結果の一つなのです。

7. 鮭の色は健康状態とも関係している

アスタキサンチンは色素であると同時に、鮭の健康維持にも役立っています。

長距離を泳ぐ鮭は、大量の酸素を使って運動します。

その過程では活性酸素も発生します。

活性酸素が増えすぎると細胞に負担がかかります。

アスタキサンチンは、その負担を和らげる働きがあると考えられています。

また、繁殖期まで元気に泳ぎ続けるためにも重要な栄養です。

美しい色は、厳しい自然を生き抜くための証でもあるのです。

8. 鮭以外にもオレンジ色になる生き物はいる

実は、鮭だけが特別ではありません。

エビやカニ、タイの一部、フラミンゴなども餌によって色が変わります。

フラミンゴは甲殻類や藻類を食べることで、美しいピンク色になります。

もし色素を含まない餌だけを食べ続けると、本来の鮮やかな色は失われてしまいます。

自然界では、「何を食べるか」が見た目にも大きく影響する例は少なくありません。

鮭もその代表的な存在なのです。

9. 鮭の色は産卵期にも変化する

産卵の時期が近づくと、鮭の体には大きな変化が起こります。

婚姻色と呼ばれる体色へ変わる種類もいます。

オスは赤みが強くなったり、黒っぽくなったりします。

これは繁殖のための変化です。

一方で、筋肉に蓄えていた栄養は卵や精巣へ送られていきます。

そのため、産卵後の鮭は身の色や脂が減ることがあります。

一生に一度の産卵へ向けて、自分の体を使い切るのです。

10. オレンジ色には自然のつながりが詰まっている

鮭のオレンジ色は、一匹だけで生まれるものではありません。

海の植物プランクトンから始まり、オキアミ、小さな魚、そして鮭へと命がつながっています。

私たちが普段何気なく見ている色には、海全体の生態系が関わっています。

だからこそ、鮭の色は自然の豊かさを映す鏡ともいえます。

美しいオレンジ色を見るたびに、その背景に広がる壮大な命のリレーを思い浮かべると、食卓の見え方も少し変わるかもしれません。

11. まとめ|鮭のオレンジ色は食べ物と進化が生んだ自然の贈り物

鮭がオレンジ色になる理由は、生まれつきではなく、海で食べるオキアミや甲殻類に含まれるアスタキサンチンを体へ蓄えるためです。

この色素は見た目を美しくするだけではありません。

長距離を泳ぐ鮭の体を支える大切な役割も担っています。

また、天然と養殖では色が作られる仕組みに共通点があり、色の濃さだけで味や品質が決まるわけでもありません。

鮭のオレンジ色には、海の食物連鎖、進化、生き抜くための知恵が凝縮されています。

次に鮭を食べる機会があれば、その鮮やかな色の奥にある自然の仕組みにも、ぜひ注目してみてください。

ご興味のある方は、お問い合わせください。

きのした生魚店には個性あふれる鮮魚が揃っています。

今日もいい一日になりますように。

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