デンベエシタビラメ(デンベイ)の秘密すべてご紹介!基礎知識からおもしろ雑学までやさしく解説

おはようございます。

有明海の固有種である「デンベエシタビラメ」。
デンベエシタビラメは有明海周辺では多く流通する魚ですが、本州ではほとんど見かけることがない魚です。
デンベエシタビラメはコウライアカシタビラメより少し小型で味が落ちますが、臭みもなくシタビラメらしい身質でとても美味しい魚です。
有明海周辺では、デンベエシタビラメの煮付けが一般的です。

基礎知識からおもしろ雑学まで、今日はデンベエシタビラメの秘密すべてご紹介します。

デンベエシタビラメ(デンベイ)の基本情報

シタビラメのソテー

デンベエシタビラメ(デンベイ)の種類・寿命

デンベエシタビラメは、顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系カレイ目ウシノシタ亜目ウシノシタ科イヌノシタ属に属します。
デンベエシタビラメのなかまには、「アカシタビラメ」「イヌノシタ」「オオシタビラメ」「オキゲンコ」「オタフクゲンコ」「ゲンコ」「コウライアカシタビラメ」などがいます。

また、デンベエシタビラメの寿命は10年ほどです。
デンベエシタビラメは1歳で8センチ程度、2歳で15センチ程度、3歳で20センチ程度まで成長します。

デンベエシタビラメ(デンベイ)の生態・食性

デンベエシタビラメは暖かい水域を好む魚で有明海周辺に分布しています。
デンベエシタビラメは水深20から70メートルほどの砂泥地に生息しています。
デンベエシタビラメは甲殻類や多毛類などを食べて生活しています。

またデンベエシタビラメの産卵期は、6月から9月頃です。

デンベエシタビラメ(デンベイ)の特徴と代表産地

外見 体長は25センチ程度
体形は細長い楕円形
表側が赤っぽい褐色
裏側が白色
両目が左側に付いている
薄く平べったい
ウロコが少し大きい
透明感のある白身
身に旨みがある
皮にクセがない
上品な甘み
滑らかな身質
熱しても身が柔らかい
2月から5月
漁方 刺し網
産地 佐賀県
福岡県
熊本県
長崎県

デンベエシタビラメ(デンベイ)の由来の秘密

デンベエシタビラメ(デンベイ)の由来

シタビラメは目が左に寄っており、牛の舌(牛タン)のようなカタチをしていることから「シタビラメ」と呼ばれた。
また、デンベエシタビラメはシタビラメノなかまですが、「デンベエ」の由来については、はっきりわかっていません。
ここからは私の予測ですが、江戸時代に「伝兵衛(デンベエ)」という漁師が最初にこの魚を発見したのかなと考えます。

デンベエシタビラメ(デンベイ)を漢字で書くと「伝兵衛舌鮃」

デンベエシタビラメを漢字で書くと「伝兵衛舌鮃」です。
シタビラメは「牛の舌のような体形のヒラメ」ということから、「舌鮃」と書きます。
また、デンベエシタビラメは「伝兵衛(デンベエ)」という人物と何らかの関わりがあり、「伝兵衛舌鮃」と書きます。

デンベエシタビラメ(デンベイ)を英語で書くと「Light's Tonguefish」

デンベエシタビラメを英語で書くと「Light's Tonguefish」です。
「Light's」は「灯りの」という意味です。
「Tonguefish」は「舌のような体形の魚」という意味です。
つまり、灯りがともったような体色で、牛の舌のような体形をした魚ということです。

デンベエシタビラメ(デンベイ)の栄養

デンベエシタビラメは不飽和脂肪酸が豊富な魚です。
どのような栄養があるかまとめました。

・DHA(脳細胞の活性化や脳の発達に働きかける)
・EPA(血液をサラサラにし、中性脂肪を下げる)
・ビタミンB群(神経の機能の正常化)
・ビタミンD(カルシウムの吸収を促進)
・ビタミンE(抗酸化作用)
・ナイアシン(血行促進、冷え性改善)
・コラーゲン(皮膚の弾力や損傷を修復)
・葉酸(細胞の生まれ変わりを助ける働き)
・パントテン酸(糖質、脂質の代謝を促す)
・鉄分(貧血の防止)
・リン(歯や骨を丈夫にする)
・マグネシウム(カラダの代謝を促す)
・カルシウム(骨を強くし骨粗鬆症を予防)
・カリウム(細胞内の浸透圧を調整、むくみ防止)
・グルタミン酸(興奮系の伝達物質を分泌させる)
・グリシン(肌のハリと弾力を保つ)
・ロイシン(筋肉のエネルギー源)
・リジン(カラダの免疫力を高める)
・パントテン酸(糖質、脂質の代謝を促す)
・アスパラギン酸(ミネラルを体内に取り込む)
・アラニン(二日酔いの改善)
・プロリン(コラーゲンの生成を促す)

デンベエシタビラメ(デンベイ)の目利きポイント!

デンベエシタビラメ(デンベイ)にも個体差は必ずあります。一人ひとりみんな個性があるようにデンベエシタビラメ(デンベイ)にも個性があります。下記をご参考にわたし好みのMyデンベエシタビラメ(デンベイ)を是非見つけてください。

1.身にハリがある
2.エラが鮮やかな紅色
3.模様がはっきりしている
4.できるだけ大きいモノ
5.カラダのぬめりに艶がある

よくわからない!という方ご来店ください。店主が詳しく解説します。
いつもと違う見方をすると魚選びがとっても楽しくなります。

デンベエシタビラメ(デンベイ)のおもしろ情報

ヒラメ(鮃)のことわざ

親を睨むと鮃になる

親を睨むとバチが当たり鮃のように目が片寄ってしまうという意味です。また、親を睨むと鰈になるともいいます。親は大切にしましょうということですね。

左鮃右鰈

鮃は目がからだの左側にあり、鰈はからだの右側にあるということ。鮃と鰈の区別がつかないときはこのことわざを思い出してみてください。しかし、まれに例外がいます。

ヒラメ(平目)さんの由来

周りに平目さんはいらっしゃるでしょうか。全国に約200人ほど平目さんという方がいるようです。由来は北海道の荷菜(ニナ)という地名がルーツで、アイヌ語でニナはヒラメのことを指していることから由来しているという説があります。

デンベエシタビラメ(デンベイ)の地方名

デンベエシタビラメは地域によりユニークな名前で呼ばれています。

・デンベシタビラメ
・デンベイ
・デンベー

デンベエシタビラメ(デンベイ)が付く地名

デンベエ(伝兵衛)が付く地名

・傳兵ヱ丁(でんべえちょう):青森県三戸郡五戸町

シタ(舌)が付く地名

・阿寒町上舌辛(あかんちょうかみしたから):北海道釧路市
・阿寒町舌辛(あかんちょうしたから):北海道釧路市
・阿寒町下舌辛(あかんちょうしもしたから):北海道釧路市
・阿寒町東舌辛(あかんちょうひがししたから):北海道釧路市
・上舌(かみした):福井県大野市
・舌間(したま):愛媛県八幡浜市
・下舌(しもした):福井県大野市
・鳥舌内(ちょうしたない):青森県三戸郡南部町
・中百舌鳥町(なかもずちょう):大阪府堺市北区
・百舌鳥赤畑町(もずあかはたちょう):大阪府堺市北区
・百舌鳥梅北町(もずうめきたちょう):大阪府堺市北区
・百舌鳥梅町(もずうめまち):大阪府堺市北区
・百舌鳥夕雲町(もずせきうんちょう):大阪府堺市堺区
・百舌鳥西之町(もずにしのちょう):大阪府堺市北区
・百舌鳥本町(もずほんまち):大阪府堺市北区
・百舌鳥陵南町(もずりょうなんちょう):大阪府堺市北区

ヒラメ(鮃)が付く地名

・志佐町田ノ平免(しさちょうたのひらめん):長崎県松浦市

デンベエシタビラメ(デンベイ)のまとめ

デンベエシタビラメは有明海の固有種のため、本州ではお目にかかることができない魚です。
デンベエシタビラメは九州では珍しい魚ではないため、九州に旅行に行かれた際は食べることができるかもしれません。
有明海の固有種と思うと、ほかの魚とは異なる特別な味わいを感じてしまいそうです(≧◇≦)

ご興味のある方は、お問い合わせください。

きのした生魚店には個性あふれる鮮魚が揃っています。

今日もいい一日になりますように。

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