イケカツオ(イケガツオ)の秘密すべてご紹介!基礎知識からおもしろ雑学までやさしく解説
おはようございます。
沖縄県や鹿児島県などの南日本でよく食べられている、「イケカツオ」。
名前から、カツオやマグロのなかまを想像しますが、実はアジのなかまです。
ただ、アジの特徴であるゼンゴはなく小離鰭があるためカツオに似た部分もあります。
イケカツオは脂ノリがよく透明感のある味わいでとても美味しい魚です。
本州で漁獲されるイケカツオは小さい個体であまり脂がありません。
できる限り大きい個体を選んだほうが美味しいです。
基礎知識からおもしろ雑学まで、今日はイケカツオの秘密すべてご紹介します。
目次
イケカツオ(イケガツオ)の基本情報
イケカツオ(イケガツオ)の種類・寿命
イケカツオは顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目アジ科イケカツオ亜科イケカツオ属に属します。イケカツオ属のなかまには、「オオクチイケカツオ」「ミナミイケカツオ」などがいます。
イケカツオの寿命ははっきりとはわかっていません。
イケカツオ(イケガツオ)の生態・食性
イケカツオは太平洋の熱帯から亜熱帯海域に広く分布しており、日本近海では沖縄県や鹿児島県・宮崎県などの南日本を回遊しています。
イケカツオは表層から水深100メートルほどの海域を群れで回遊しながら、小魚や甲殻類を食べて生活しています。
またイケカツオの産卵期は春から秋にかけてです。
イケカツオ(イケガツオ)の特徴と代表産地
外見 | 全長は60センチ程度 体重は600グラム程度 体形は側扁した紡錘形 頭部が比較的小さい 背は青緑色 腹は銀白色 尾ビレは深く二又に湾入している 2列の暗色斑点がある 細かいウロコがある ゼンゴがない 小離鰭がある |
味 | 透明感のある白身 皮下に脂があり甘みがある ほどよく歯ごたえがある 魚らしいうま味がある 熱すると硬く締まる |
旬 | 9月~12月 |
漁方 | 定置網 釣り |
産地 | 鹿児島県 宮崎県 |
イケカツオ(イケガツオ)の由来の秘密
イケカツオ(イケガツオ)の由来
イケカツオの由来ははっきりとはわかっていません。
アジ科の魚ですが小離鰭があり体形が紡錘形であることから、「カツオ」という名前がついています。
イケカツオ(イケガツオ)を漢字で書くと「逆鉤鰹」
イケカツオを漢字で書くと「逆鉤鰹」です。
イケカツオの背ビレは鋭いトゲ状になっており「逆鉤(アグ)」を連想することから、「逆鉤」という漢字が用いられました。
「逆鉤」は針の返しという意味です。
また、カツオは身が堅いことから「カタウオ(堅魚)」と呼ばれており、それが転じ「カツオ」と言います。
カツオを漢字で書くと、魚ヘンに「堅」で「鰹」と書きます。
イケカツオ(イケガツオ)を英語で書くと「Doubledotted queenfish」
イケカツオを英語で書くと「Doubledotted queenfish」です。
「Doubledotted」は、英語で「2列に並ぶ黒点」という意味で、イケカツオの体側に2列に並ぶ暗黒点があることからです。
「Queenfish」は、英語で「イケカツオ属」という意味です。
イケカツオ(イケガツオ)の栄養
イケカツオにはオメガ脂肪酸が豊富に含まれています。
どのような栄養があるかまとめました。
・DHA(脳細胞の活性化や脳の発達に働きかける)
・EPA(血液をサラサラにし、中性脂肪を下げる)
・タウリン(肝機能を高める、生活習慣病予防)
・タンパク質(筋肉細胞の維持、免疫力高上)
・ビタミンA(皮膚や粘膜を正常に保つ)
・ビタミンB群(神経の機能の正常化)
・ビタミンD(カルシウムの吸収を促進)
・ビタミンE(抗酸化作用)
・ナイアシン(血行促進、冷え性改善)
・コラーゲン(皮膚の弾力や損傷を修復)
・葉酸(細胞の生まれ変わりを助ける働き)
・パントテン酸(糖質、脂質の代謝を促す)
・鉄分(貧血の防止)
・リン(歯や骨を丈夫にする)
・マグネシウム(カラダの代謝を促す)
・カルシウム(骨を強くし骨粗鬆症を予防)
・カリウム(細胞内の浸透圧を調整、むくみ防止)
イケカツオ(イケガツオ)の5つの目利きポイント!
イケカツオにも個体差は必ずあります。一人ひとりみんな個性があるように イケカツオにも個性があります。下記をご参考にわたし好みのMy イケカツオを是非見つけてください。
1.全長40センチ以上
2.全体に潤いがある
3.エラが綺麗な紅色
4.目が澄んでいる
5.ふっくら太っている
よくわからない!という方ご来店ください。店主が詳しく解説します。
いつもと違う見方をすると魚選びがとっても楽しくなります。
カツオのさばき方
店主がカツオの3枚おろしからたたきまで、1ステップずつ丁寧にご紹介します。
最新情報の受信はコチラから。⇒おさかな娘チャンネル登録
イケカツオ(イケガツオ)のおもしろ情報
カツオのことわざ
猫が肥えれば鰹節が痩せる(ねこがこえればかつおぶしがやせる)
猫は鰹節を食べて太り、鰹節はなくなるということから、一方に利益があれば他方には損失があることを意味します。
猫に鰹節(ねこにかつおぶし)
猫の目の届くところに大好物の鰹節があるということから、油断も隙も無い状況を意味します。
目に青葉、山時鳥、初鰹(めにあおば、やまほととぎす、はつがつお)
初夏の情緒を詠ったことわざです。
イケカツオ(イケガツオ)の地方名
イケカツオ(イケガツオ)は地域によりユニークな名前で呼ばれています。
・イケガツオ:全国各地
・アンチャマー:沖縄県
・ギンアジ:熊本県
・ハリウオ:和歌山県
・ビービータャー:沖縄県
・フサリガッチュ:沖縄県
・ヤイヒャール:沖縄県
・ヤナギウオ:高知県
・ヤハチ:鹿児島県
イケカツオ(イケガツオ)の付く地名
カツオが付く地名
・安心院町且尾(あじむまちかつお):大分県宇佐市
・淡河町勝雄(おうごちょうかつお):兵庫県神戸市北区
・大野中津岡(おおのなかつおか):広島県廿日市市
・勝大(かつおお):福島県河沼郡会津坂下町
・勝岡町(かつおかちょう):愛媛県松山市
・鰹淵(かつおぶち):愛知県新城市
・勝下(かつおり):茨城県鉾田市
・勝下新田(かつおりしんでん):茨城県鉾田市
・高津尾(たかつお):福岡県北九州市小倉南区
・高津尾(たかつお):和歌山県日高郡日高川町
・高津尾川(たかつおがわ):和歌山県日高郡日高川町
・御津勝尾(みつかつお):岡山県岡山市北区
・物部町中津尾(ものべちょうなかつお):高知県香美市
イケカツオ(イケガツオ)のまとめ
イケカツオは本州ではあまり馴染みのない魚ですが、この美味しさを知ると人気になる魚間違いなしです。
現在は比較的安価ですが、この先高騰する可能性がある将来有望魚でもあります。
イケカツオは個体により味わいがかなり異なりますので、体長40センチ以上の個体を選ぶようにしましょう。
イケカツオがまずいという認識がある方もいますが、それは幼魚を食べているからかなと思います。
ご興味のある方はぜひお問い合わせください。
きのした生魚店には個性あふれる鮮魚が揃っています。
今日もいい一日になりますように。