ヒゲダイ(鬚鯛)の秘密すべてご紹介!基礎知識からおもしろ雑学までやさしく解説
おはようございます。
アゴヒゲが生えている魚「ヒゲダイ」。
なんともご利益のありそうな姿カタチで目を引く魚です。
ヒゲダイはイサキのなかまで、イサキのなかまの中でもっとも大きい魚です。
非常に味がよく希少性も高いことから、高値で取引されています。
基礎知識からおもしろ雑学まで、今日はヒゲダイの秘密すべてご紹介します。
目次
ヒゲダイ(鬚鯛)の基本情報
ヒゲダイ(鬚鯛)の種類・寿命
ヒゲダイは顎口上綱硬骨魚類条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目イサキ科ヒゲダイ属に属します。
ヒゲダイ属のなかまには、「シマセトダイ」「セトダイ」「ヒゲソリダイ」などがいます。
ヒゲダイはその見た目通り寿命が長く、25年ほど生きます。
ヒゲダイ(鬚鯛)の生態・食性
ヒゲダイは日本近海の比較的暖かい海にのみ分布しており、水深25メートルから50メートルほどの海域に生息しています。
ヒゲダイは岩礁域や砂底で、エビやカニなどを食べて生活しています。
また、ヒゲダイの産卵期は6月から8月頃です。
ヒゲダイ(鬚鯛)の特徴と代表産地
外見 | 体長40センチ程度 体重は8キロ程度 体色は黒っぽい 体高が高い 腹が直線的で背が盛り上がっている 下顎に房状のヒゲがある 口が突き出ている ヒレが真っ黒 |
味 | 強いうま味がある 歯ごたえのある白身 磯の香りがする 脂ノリがよく上品な味わい 身がしまっている |
旬 | 11月~4月 |
漁方 | 定置網 |
産地 | 鹿児島県 千葉県 神奈川県 和歌山県 |
ヒゲダイ(鬚鯛)の由来の秘密
ヒゲダイ(鬚鯛)の由来
ヒゲダイは顎ヒゲが長いことと、体高が高くタイに姿カタチが似ていることから「ヒゲダイ」と呼ばれた。
ヒゲダイ(鬚鯛)を漢字で書くと「鬚鯛」
ヒゲダイを漢字で書くと「鬚鯛」です。
タイは一年中(周年)漁獲できることから、魚ヘンに「周」で「鯛」と書きます。
また、ヒゲを表わす漢字は3つあります。
「髭」と「鬚」と「髯」です。
これらの漢字はヒゲの生える部位によって使い分けられています。
口ヒゲは「髭」、顎ヒゲは「鬚」、頬ヒゲは「髯」です。
ヒゲダイは下顎にヒゲが生えているため、「鬚」を用います。
ヒゲダイ(鬚鯛)を英語で書くと「Long barbeled grunter」
ヒゲダイ(鬚鯛)を英語で書くと「Long barbeled grunter」です。
「Long barbeled 」は「長いひげ」という意味です。
「Grunter」は「音を立てる動物」という意味です。
ヒゲダイは低い声で「グルグル」鳴くことが由来です。
ヒゲダイ(鬚鯛)の栄養
ヒゲダイにはうま味成分が豊富に含まれています。
どのような栄養があるかまとめました。
・DHA(脳細胞の活性化や脳の発達に働きかける)
・EPA(血液をサラサラにし、中性脂肪を下げる)
・タンパク質(筋肉細胞の維持、免疫力高上)
・ナイアシン(血行促進、冷え性改善)
・ビタミンA(皮膚や粘膜を正常に保つ)
・ビタミンB群(神経の機能の正常化)
・鉄分(貧血の防止)
・葉酸(細胞の生まれ変わりを助ける働き)
・リン(歯や骨を丈夫にする)
・マグネシウム(カラダの代謝を促す)
・カルシウム(骨を強くし骨粗鬆症を予防)
・カリウム(細胞内の浸透圧を調整、むくみ防止)
・コラーゲン(皮膚の弾力や損傷を修復)
・グルタミン酸(興奮系の伝達物質を分泌させる)
・グリシン(肌のハリと弾力を保つ)
・ロイシン(筋肉のエネルギー源)
・リジン(カラダの免疫力を高める)
・アスパラギン酸(ミネラルを体内に取り込む)
ヒゲダイ(鬚鯛)の5つの目利きポイント!
ヒゲダイにも個体差は必ずあります。一人ひとりみんな個性があるようにヒゲダイにも個性があります。下記をご参考にわたし好みのMyヒゲダイを是非見つけてください。
1.エラが鮮やかな紅色
2.全体的にぬめりがある
3.カラダの色艶が良く黒い
4.身に張りがある
5.目に膨らみがあり澄んでいる
よくわからない!という方ご来店ください。店主が詳しく解説します。
いつもと違う見方をすると魚選びがとっても楽しくなります。
ヒゲダイ(鬚鯛)のおもしろ情報
ヒゲ(髭)のことわざ
お髭の塵を払う(おひげのちりをはらう)
身分の高いひとや権力のある人に、媚びる様子。
食わぬ飯が髭に付く(くわぬめしがひげにつく)
身に覚えのないことで、疑われること。
竜の髭を撫で虎の尾を踏む(りゅうのひげをなでとらのおをふむ)
竜の髭を撫でたり、虎のしっぽを踏んだりすることから、危険なことをするという意味です。
タイ(鯛)のことわざ
鯛の尾より鰯の頭(たいのおよりいわしのかしら)
大きな集落の最後につくより、小さな集団の先頭についたほうがイイという意味。
魚は鯛(うおはたい)
魚のなかで鯛が最も上級であるという意味。
蝦で鯛を釣る(えびでたいをつる)
少ない労力や元手で大きな利益を得るという意味。
略して、「えびたい」。
腐っても鯛(くさってもたい)
すぐれているモノは傷んだとしてもそれなりの価値があるという意味。
鯛なくば狗母魚(たいなくばえそ)
狗母魚(エソ)とは鯛カマボコの原料として使用されている魚です。
いいものがない時は、代替品で我慢するしかないという意味。
鯛も一人では旨からず(たいもひとりではうまからず)
どれだけ美味しい食べ物も、ひとりで食べると美味しくないという意味。
大勢で食事をするほうが美味しいということ。
河豚にも中れば鯛にも中る(ふぐにもあたればたいにもあたる)
猛毒の河豚だけでなく、毒のない鯛でもあたることはあるということ。
運の悪い時は安全なことでも害となるという意味。
ヒゲダイ(鬚鯛)の地方名
ヒゲダイ(鬚鯛)は地域によりユニークな名前で呼ばれています。
・クロメ:三重県
・トモモリ:和歌山県、高知県
・トモシゲ:和歌山県
・タノキヅラ:和歌山県
・コショウダイ:和歌山県
・カレカレ:富山県
・コツダイノミコ:富山県
・アンマサノヤキモノ:富山県
・カミソリ:徳島県
・カヤカリ:新潟県
・コウコダイ:熊本県
・コロダイ:福岡県
・イノシシ:静岡県
・エゴダイ:静岡県
・ナベワリ:静岡県
ヒゲダイ(鬚鯛)の付く地名
ヒゲ(鬚)の付く地名
・小浜白鬚(おばましらひげ):福井県小浜市
・野村町白髭(のむらちょうしらひげ):愛媛県西予市
・日下田(ひげた):石川県羽咋郡志賀町
・髭茶屋桃燈町(ひげちゃやちょうちんちょう):京都府京都市山科区
・髭茶屋屋敷町(ひげちゃややしきちょう):京都府京都市山科区
・日下町(ひげまち):広島県三次市
タイ(鯛)の付く地名
・大野鯛ノ原(おおのたいのはら):広島県廿日市市
・鯛取通(たいとりとおり):愛知県名古屋市南区
・鯛名町(たいなまち):宮崎県延岡市
・鯛ノ浦郷(たいのうらごう):長崎県南松浦郡新上五島町
・鯛浜(たいのはま):徳島県板野郡北島町
・鯛尾(たいび):広島県安芸郡坂町
ヒゲダイ(鬚鯛)のまとめ
ヒゲダイは生息域がとても狭く全国的にはあまり知られていない魚です。
ヒゲダイは高級魚でなかなか食べる機会はありませんが、非常に繊細な味わいで風味もよくとても美味しい魚です。
姿カタチも印象的ですのでお目にかかった際は、ぜひ挑戦してみてください。
きのした生魚店でもヒゲダイをおりますので、ぜひお問合せください。
きのした生魚店には個性あふれる鮮魚が揃っています。
今日もいい一日になりますように。