タラバガニの秘密すべてご紹介!基礎知識からおもしろ雑学までやさしく解説
おはようございます。
甲殻類最大級のタラバガニ。
ボリューミーな食べ応えで、カニ好きがうなる逸品。
10キロを超える大物も存在します。
「タラバガニは生物学上カニではなくヤドカリのなかま。」という話はよく聞く話ですが、やはり見た目も味もカニではないでしょうか。
役立つ知識から酒場のネタになる知識まで、今日はタラバガニの秘密すべてご紹介します。
タラバガニの基本情報
タラバガニの種類・寿命
タラバガニは節足動物門甲殻亜門軟甲綱真軟甲亜綱ホンエビ上目十脚目抱卵亜目異尾下目Lithodoidea上科タラバガニ科タラバガニ属に属します。
つまり、タラバガニは生物学上はカニではなくヤドカリに分類されます。
タラバガニ属には他に「アブラガニ」「ハナサキガニ」がいます。
タラバガニ科のなかまは「イバラガニ」「エゾイバラガニ」「オダワラフサイバラガニ」「メンコガニ」などがいます。
また、タラバガニの寿命は長くオスは30歳メスは25歳ほどです。
甲殻類最大級ということで、大きい個体は重さ10キロ足を広げた長さが180センチにも達します。
タラバガニは成長がとても遅く、1歳で甲長0.8センチ、2歳で甲長2.5センチ、3歳で甲長5センチ、甲長10センチになるには6年もかかります。
タラバガニの生態・食性
タラバガニは寒い地域を好みアラスカ沿岸の北極海、ベーリング海、北太平洋、オホーツク海、日本では北海道周辺に分布しています。
水深30~360メートルほどに生息しおり、寒くなるほど生息水深は浅くなります。
タラバガニは雑食でとっても食欲旺盛です。タラバガニが増殖すると生き物の多様性が失われてしまうという心配の声もあるほどです。
またタラバガニの産卵期は4月から6月で、産卵の際は沿岸に移動します。
タラバガニの特徴と代表産地
外見 | 甲幅25センチ程度 足は見た目では8本 甲羅の下に小さな足が2本隠れている 足は長く太い 甲羅全体がトゲで覆われている 甲羅はこげ茶色 |
味 | バランスの良い味わい 筋肉質で食べ応えがある 身に甘味がある 内子は濃厚で美味しい カニらしい風味がある |
旬 | 10月~2月 |
漁方 | カゴ漁 刺し網 |
産地 | 北海道 アメリカ ロシア カナダ |
タラバガニの由来の秘密
タラバガニは魚のタラ(鱈)が獲れる場所で獲れるということから、「鱈場(タラバ)」と呼ばれています。
漢字でタラバガニは「鱈場蟹」と書きます。
タラバガニの栄養
タラバガニにはアスタキサンチンがたくさん含まれています。
どのような栄養があるかまとめました。
・アスタキサンチン(老化防止、疲労回復)
・タンパク質(筋肉細胞の維持、免疫力高上)
・ビタミンA(皮膚や粘膜を正常に保つ)
・ビタミンB群(神経の機能の正常化)
・ビタミンE(抗酸化作用)
・ナイアシン(血行促進、冷え性改善)
・パントテン酸(糖質、脂質の代謝を促す)
・カルシウム(骨を強くし骨粗鬆症を予防)
・カリウム(細胞内の浸透圧を調整、むくみ防止)
・マグネシウム(カラダの代謝を促す)
・リン(歯や骨を丈夫にする)
・鉄分(貧血の防止)
タラバガニの5つの目利きポイント!
タラバガニにも個体差は必ずあります。
一人ひとりみんな個性があるようにタラバガニにも個性があります。
下記をご参考にわたし好みのMyタラバガニを是非見つけてください。
1.甲羅が硬い
2.ずっしり思い
3.甲羅の色が濃い色
4.フンドシが小さく三角形(オス)
5.活けは元気に動く
よくわからない!という方ご来店ください。店主が詳しく解説します。
いつもと違う見方をすると魚選びがとっても楽しくなります。
タラバガニのおもしろ情報
タラバガニの地方名
タラバガニは地域によりユニークな名前で呼ばれています。
・タラバ:全国各地
・アンコ(未成体カニ)
・クラッカ (未成体カニのさらに小さいもの)
カニ(蟹)のことわざ
慌てる蟹は穴へ入れぬ(あわてるかにはあなへはいれぬ)
カニは慌てると上手に巣穴に入れないことから、何事も慌てると失敗してしまうということ。
蟹の念仏(かにのねんぶつ)
カニが口からぶくぶくと泡を出すことから、口の中でぶつぶつと呟いていること。
蟹の横這い(かにのよこばい)
カニの横歩きはぎこちないように見えてもカニにとっては最適ということから、他人には不自由に見えても自分にとってはそれが一番いいということ。
蟹は甲羅に似せて穴を掘る(かにはこうらににせてあなをほる)
カニが自分の殻の大きさに合わせて穴を掘ることから、人は自分の肩書や力量に応じた行動や考えを持っているということ。
蟹を縦に歩かせることはできない(かにをたてにあるかせることはできない)
カニは横歩きはできるが縦歩きはできないことから、生まれ持った性格は変わらないということ。
月夜の蟹(つきよのかに)
カニは月夜にはエサを食べないため身が少ないことから、中身がない人のこと。
カニ(蟹)が付く地名
・蟹原(かにはら):広島県安芸郡海田町
・西蟹屋(にしかにや):広島県広島市南区
・東蟹屋町(ひがしかにやちょう):広島県広島市東区
・御調町津蟹(みつぎちょうつがに):広島県尾道市
・南蟹屋(みなみかにや):広島県広島市南区
・海部郡蟹江町(あまぐんかにえちょう):愛知県
・石蟹(いしが):岡山県新見市
・上蟹田(うえかにた):青森県東津軽郡外ヶ浜町
・蟹江新田(かにえしんでん):愛知県海部郡蟹江町
・蟹江新町(かにえしんまち):愛知県海部郡蟹江町
・蟹江本町(かにえほんまち):愛知県海部郡蟹江町
・蟹ケ谷(かにがや):神奈川県川崎市高津区
・蟹甲町(かにこうちょう):愛知県日進市
・蟹沢(かにさわ):宮城県仙台市宮城野区
・蟹沢(かにざわ):秋田県由利本荘市
・蟹沢(かにさわ):山形県東根市
・蟹沢新田(かにさわしんでん):新潟県南魚沼市
・蟹田(かにた):青森県東津軽郡外ヶ浜町
・蟹田(かにた):青森県上北郡野辺地町
・蟹田(かにた):千葉県勝浦市
・蟹田石浜(かにたいしはま):青森県東津軽郡外ヶ浜町
・蟹田大平(かにたおおだい):青森県東津軽郡外ヶ浜町
・蟹田小国(かにたおぐに):青森県東津軽郡外ヶ浜町
・蟹田塩越(かにたしおこし):青森県東津軽郡外ヶ浜町
・蟹田中師(かにたちゅうし):青森県東津軽郡外ヶ浜町
・蟹田南沢(かにたみなみざわ):青森県東津軽郡外ヶ浜町
・蟹田山本(かにたやまもと):青森県東津軽郡外ヶ浜町
・蟹寺(かにでら):富山県富山市
・蟹原(かにはら):愛知県長久手市
・蟹町(かにまち):福岡県柳川市
・蟹田(がんだ):大分県佐伯市
・蟹作町(がんつくりまち):熊本県人吉市
・北会津町蟹川(きたあいづまちかにかわ):福島県会津若松市
・北蟹屋町(きたかにやちょう):京都府京都市上京区
・下蟹田(したかにた):青森県東津軽郡外ヶ浜町
・高清水蟹沢尻(たかしみずかにさわしり):宮城県栗原市
・築館蟹沢(つきだてかにさわ):宮城県栗原市
・豊野町蟹沢(とよのまちかにさわ):長野県長野市
・西蟹田(にしかにた):愛知県名古屋市港区
・西賀茂蟹ケ坂町(にしがもかにがさかちょう):京都府京都市北区
・東蟹田(ひがしかにた):愛知県名古屋市港区
・南蟹屋町(みなみかにやちょう):京都府京都市上京区
タラバガニのまとめ
タラバガニはヤドカリのなかまとは言え、カニ好きにはたまらない逸品ではないでしょうか。
タラバガニの魅力はやはり甲殻類特有の風味とボリューミーな食べ応えです。
きのした生魚店でも大きいタラバガニを仕入れておりますので、ご興味のある方はお問い合わせください。
きのした生魚店には個性あふれる鮮魚が揃っています。
今日もいい一日になりますように。