モクズガニ(藻屑蟹)の秘密すべてご紹介!基礎知識からおもしろ雑学までやさしく解説

おはようございます。

カニ類のなかで最も味が良いといわれている、「モクズガニ」。
モクズガニは世界的に有名な「チュウゴクモクズガニ(上海蟹)」の近縁種で、とっても美味しい蟹です。
モクズガニは実はとても身近なカニで、川や湖などで見かけることも多いです。
モクズガニが市場に流通しているのはとても稀なことです。
モクズガニはとてもローカルなカニで、この味を知っている方のみが獲って食べているのが現状です。

基礎知識からおもしろ雑学まで、今日はモクズガニの秘密すべてご紹介します。

モクズガニ(藻屑蟹)の基本情報

モクズガニ

モクズガニ(藻屑蟹)の種類・寿命

モクズガニは、節足動物門甲殻上綱軟甲綱(エビ綱)真軟綱亜綱(エビ亜綱)エビ上目十脚目短尾下目モクズガニ科モクズガニ亜科モクズガニ属に属します。
モクズガニのなかまには、「チュウゴクモクズガニ」「アシハラガニ」「イソガニ」「ケフサイソガニ」「ヒメアカイソガニ」などがいます。

また、モクズガニの寿命は短く3年ほどです。
モクズガニは1歳で2センチ程度、2歳で4センチ程度、3歳で6センチ程度まで成長します。

モクズガニ(藻屑蟹)の生態・食性

モクズガニは北海道から九州まで広く分布しており、淡水域に生息しています。
モクズガニは海で生まれ川で成長し海に戻るカニです。
モクズガニは海で孵化し、子ガニまで成長すると夏に河川を上ります。
そして、産卵期を迎えたモクズガニは秋から冬に産卵のため海に下ります。
モクズガニは雑食性で基本的には水中の植物を食べていますが、動物質のものも食べます。

モクズガニ(藻屑蟹)の特徴と代表産地

外見 甲幅は8センチ程度
甲羅は平たい円形
体色は濃い灰色
甲羅の割に脚が細い
ハサミに毛がある
脚に毛がある
強靭なハサミがある
オスのほうが大きい
独特の風味がある
身に旨みがある
身に甘みがある
カニ類の中でも味が良い
身が少ない
内子が美味しい
熱しても身が柔らかい
7月から12月
漁方 カゴ漁
産地 北海道

モクズガニ(藻屑蟹)の由来の秘密

モクズガニ(藻屑蟹)の由来

カニは「悪性腫瘍の癌」とその周辺の血管と形状が似ていることから、ラテン語の「カニ」から引用され、「カニ」と呼ばれた。
ちなみに癌もカニも、英語で「cancer」です。
また、モクズガニはハサミに毛が密集しており、「藻くず」に見えることから、「モクズガニ」と呼ばれた。

モクズガニ(藻屑蟹)を漢字で書くと「藻屑蟹」

モクズガニを漢字で書くと「藻屑蟹」です。
カニは「簡単に分解できる」ことから、「解」と「虫」で「蟹」と書きます。
また、モクズガニは脚に毛が密集しており「藻屑(もくず)」が付いているように見えることから、「藻屑蟹」と書きます。

モクズガニ(藻屑蟹)を英語で書くと「Mitten crab」

モクズガニを英語で書くと「Mitten crab」です。
「Mitten」は「手袋(ミトン)」という意味です。
「Crab」は「カニ」という意味です。
つまり、ミトンのような脚をもったカニということです。

モクズガニ(藻屑蟹)の栄養

モクズガニは抗酸化作用の強いアスタキサンチンが豊富に含まれています。
どのような栄養があるかまとめました。

・アスタキサンチン(老化防止、疲労回復)
・タンパク質(筋肉細胞の維持、免疫力高上)
・ビタミンA(皮膚や粘膜を正常に保つ)
・ビタミンB群(神経の機能の正常化)
・ビタミンE(抗酸化作用)
・ナイアシン(血行促進、冷え性改善)
・パントテン酸(糖質、脂質の代謝を促す)
・カルシウム(骨を強くし骨粗鬆症を予防)
・カリウム(細胞内の浸透圧を調整、むくみ防止)
・マグネシウム(カラダの代謝を促す)
・リン(歯や骨を丈夫にする)
・鉄分(貧血の防止)
・グルタミン酸(興奮系の伝達物質を分泌させる)
・グリシン(肌のハリと弾力を保つ)
・ロイシン(筋肉のエネルギー源)
・リジン(カラダの免疫力を高める)
・パントテン酸(糖質、脂質の代謝を促す)
・アスパラギン酸(ミネラルを体内に取り込む)
・アラニン(二日酔いの改善)
・プロリン(コラーゲンの生成を促す)

モクズガニ(藻屑蟹)の目利きポイント!

モクズガニ(藻屑蟹)にも個体差は必ずあります。一人ひとりみんな個性があるようにモクズガニ(藻屑蟹)にも個性があります。下記をご参考にわたし好みのMyモクズガニ(藻屑蟹)を是非見つけてください。

1.元気に動いている
2.ずっしり思い
3.腹が硬い
4.フンドシが細い(オス)
5.できるだけ大きい

よくわからない!という方ご来店ください。店主が詳しく解説します。
いつもと違う見方をすると魚選びがとっても楽しくなります。

モクズガニ(藻屑蟹)のおもしろ情報

カニ(蟹)のことわざ

慌てる蟹は穴へ入れぬ(あわてるかにはあなへはいれぬ)

カニは慌てると上手に巣穴に入れないことから、何事も慌てると失敗してしまうということ。

蟹の念仏(かにのねんぶつ)

カニが口からぶくぶくと泡を出すことから、口の中でぶつぶつと呟いていること。

蟹の横這い(かにのよこばい)

カニの横歩きはぎこちないように見えてもカニにとっては最適ということから、他人には不自由に見えても自分にとってはそれが一番いいということ。

蟹は甲羅に似せて穴を掘る(かにはこうらににせてあなをほる)

カニが自分の殻の大きさに合わせて穴を掘ることから、人は自分の肩書や力量に応じた行動や考えを持っているということ。

蟹を縦に歩かせることはできない(かにをたてにあるかせることはできない)

カニは横歩きはできるが縦歩きはできないことから、生まれ持った性格は変わらないということ。

月夜の蟹(つきよのかに)

カニは月夜にはエサを食べないため身が少ないことから、中身がない人のこと。

モクズガニ(藻屑蟹)の地方名

モクズガニは地域によりユニークな名前で呼ばれています。

・ベトルンアンパヤヤプ:北海道
・ズガニ:和歌山県
・モガニ:岐阜県
・ズンガニ:徳島県
・ヅンガニ:徳島県
・ヤマサデ:徳島県
・ガネ:徳島県
・ムクゾウガニ:東京都
・モクタガニ:神奈川県
・カワガニ:北海道、秋田県
・ガンチ:徳島県
・ガンチン:徳島県
・モックラガニ:北海道
・クマガニ:北海道
・マルガニ:北海道
・ケガニ:北海道、福井県、広島県
・ツガニ:神奈川県、徳島県、高知県
・ヒゲガニ:徳島県
・ヤマガネ:福岡県
・ヤマタロウガニ:鹿児島県

モクズガニ(藻屑蟹)が付く地名

カニ(蟹)が付く地名

・蟹原(かにはら):広島県安芸郡海田町
・西蟹屋(にしかにや):広島県広島市南区
・東蟹屋町(ひがしかにやちょう):広島県広島市東区
・御調町津蟹(みつぎちょうつがに):広島県尾道市
・南蟹屋(みなみかにや):広島県広島市南区
・海部郡蟹江町(あまぐんかにえちょう):愛知県
・石蟹(いしが):岡山県新見市
・上蟹田(うえかにた):青森県東津軽郡外ヶ浜町
・蟹江新田(かにえしんでん):愛知県海部郡蟹江町
・蟹江新町(かにえしんまち):愛知県海部郡蟹江町
・蟹江本町(かにえほんまち):愛知県海部郡蟹江町
・蟹ケ谷(かにがや):神奈川県川崎市高津区
・蟹甲町(かにこうちょう):愛知県日進市
・蟹沢(かにさわ):宮城県仙台市宮城野区
・蟹沢(かにざわ):秋田県由利本荘市
・蟹沢(かにさわ):山形県東根市
・蟹沢新田(かにさわしんでん):新潟県南魚沼市
・蟹田(かにた):青森県東津軽郡外ヶ浜町
・蟹田(かにた):青森県上北郡野辺地町
・蟹田(かにた):千葉県勝浦市
・蟹田石浜(かにたいしはま):青森県東津軽郡外ヶ浜町
・蟹田大平(かにたおおだい):青森県東津軽郡外ヶ浜町
・蟹田小国(かにたおぐに):青森県東津軽郡外ヶ浜町
・蟹田塩越(かにたしおこし):青森県東津軽郡外ヶ浜町
・蟹田中師(かにたちゅうし):青森県東津軽郡外ヶ浜町
・蟹田南沢(かにたみなみざわ):青森県東津軽郡外ヶ浜町
・蟹田山本(かにたやまもと):青森県東津軽郡外ヶ浜町
・蟹寺(かにでら):富山県富山市
・蟹原(かにはら):愛知県長久手市
・蟹町(かにまち):福岡県柳川市
・蟹田(がんだ):大分県佐伯市
・蟹作町(がんつくりまち):熊本県人吉市
・北会津町蟹川(きたあいづまちかにかわ):福島県会津若松市
・北蟹屋町(きたかにやちょう):京都府京都市上京区
・下蟹田(したかにた):青森県東津軽郡外ヶ浜町
・高清水蟹沢尻(たかしみずかにさわしり):宮城県栗原市
・築館蟹沢(つきだてかにさわ):宮城県栗原市
・豊野町蟹沢(とよのまちかにさわ):長野県長野市
・西蟹田(にしかにた):愛知県名古屋市港区
・西賀茂蟹ケ坂町(にしがもかにがさかちょう):京都府京都市北区
・東蟹田(ひがしかにた):愛知県名古屋市港区
・南蟹屋町(みなみかにやちょう):京都府京都市上京区

モクズガニ(藻屑蟹)のまとめ

モクズガニは昔から日本の河川などの淡水に生息しているカニで、カニのなかで最も美味しいカニです。
チュウゴクモクズガニととても近い近縁種で、負けるとも劣らないカニです。
しかし日本人でもモクズガニの美味しさを知らない方は多くいらっしゃいます。
モクズガニは甘味のあるしっとりとした身質です、この美味しさを少しでも多くの方に知っていただきたいです。

ご興味のある方は、お問い合わせください。

きのした生魚店には個性あふれる鮮魚が揃っています。

今日もいい一日になりますように。

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