イネゴチ(稲鯒)の秘密すべてご紹介!基礎知識からおもしろ雑学までやさしく解説

おはようございます。

今年も田植えの時期を迎えました。
稲の成長と共に美味しくなる魚、「イネゴチ」。
イネゴチはマゴチと比較すると、少し味が落ちる魚です。
しかし、コチのなかまらしい上品な味わいで、安価のためおすすめの魚です。

基礎知識からおもしろ雑学まで、今日はイネゴチの秘密すべてご紹介します。

イネゴチ(稲鯒)の基本情報

イネゴチ

イネゴチ(稲鯒)の種類・寿命

イネゴチは、顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目カサゴ亜目コチ亜目コチ科イネゴチ属に属します。
イネゴチのなかまには、「オニゴチ」「エンマゴチ」「アネサゴチ」「マゴチ」「ヨシノゴチ」「トカゲゴチ」「ワニゴチ」「ハナメゴチ」「メゴチ」などがいます。

また、イネゴチの寿命は10年ほどです。

イネゴチ(稲鯒)の生態・食性

イネゴチは青森県から九州南岸まで広く分布しており、水深100から300メートルほどの海域に生息しています。
イネゴチは肉食性で、小魚や甲殻類・多毛類などを食べて生活しています。

また、イネゴチの産卵期は6月から8月頃です。

イネゴチ(稲鯒)の特徴と代表産地

外見 体長は35センチ程度
体形は円筒形
細長い体形
体色は淡色
全身に褐色の斑紋がある
尾ビレが黒い
下顎の方が出ている
上品な白身
淡泊な味わい
ほんのりとした甘味がある
うま味がある
水分が多い
卵巣が美味しい
熱すると硬く締まる
5月から8月
漁方 底曳き網
産地 兵庫県
熊本県

イネゴチ(稲鯒)の由来の秘密

イネゴチ(稲鯒)の由来

コチは口が大きく頭が平らなため、神主が持つ「笏(しゃく)」に似ていることから「コツ(笏)」と呼ばれており、それが「コチ」に転じた。
また、イネゴチは稲が育つ時期に旬を迎えることから、「イネゴチ」と呼ばれた。

イネゴチ(稲鯒)を漢字で書くと「稲鯒」

イネゴチを漢字で書くと「稲鯒」です。
コチは敵に遭遇すると飛び跳ね踊るように逃げることから、魚ヘンに「踊」で「鯒」と書きます。

またイネゴチはコチのなかまで、「稲」が育つ時期に味がよくなることから、「稲鯒」と書きます。

イネゴチ(稲鯒)を英語で書くと「Spotted flathead」

イネゴチを英語で書くと「Spotted flathead」です。
「Spotted」は「水玉模様の」という意味です。
「Flathead」は「平らな頭」という意味です。
つまり、水玉模様柄の平らな頭をした魚という意味です。

イネゴチ(稲鯒)の栄養

イネゴチは高タンパク低脂質な食材です。
どのような栄養があるかまとめました。

・タンパク質(筋肉細胞の維持、免疫力高上)
・ビタミンA(皮膚や粘膜を正常に保つ)
・ビタミンB群(神経の機能の正常化)
・ビタミンD(カルシウムの吸収を促進)
・ビタミンE(抗酸化作用)
・ナイアシン(血行促進、冷え性改善)
・コラーゲン(皮膚の弾力や損傷を修復)
・葉酸(細胞の生まれ変わりを助ける働き)
・パントテン酸(糖質、脂質の代謝を促す)
・鉄分(貧血の防止)
・リン(歯や骨を丈夫にする)
・マグネシウム(カラダの代謝を促す)
・カルシウム(骨を強くし骨粗鬆症を予防)
・カリウム(細胞内の浸透圧を調整、むくみ防止)
・グルタミン酸(興奮系の伝達物質を分泌させる)
・グリシン(肌のハリと弾力を保つ)
・ロイシン(筋肉のエネルギー源)
・リジン(カラダの免疫力を高める)
・パントテン酸(糖質、脂質の代謝を促す)
・アスパラギン酸(ミネラルを体内に取り込む)
・アラニン(二日酔いの改善)
・プロリン(コラーゲンの生成を促す)

イネゴチ(稲鯒)の目利きポイント!

イネゴチ(稲鯒)にも個体差は必ずあります。一人ひとりみんな個性があるようにイネゴチ(稲鯒)にも個性があります。下記をご参考にわたし好みのMyイネゴチ(稲鯒)を是非見つけてください。

1.身に厚みがある
2.目に膨らみがあり澄んでいる
3.エラが鮮やかな紅色
4.身に張りがある
5.ヒレに潤いがある

よくわからない!という方ご来店ください。店主が詳しく解説します。
いつもと違う見方をすると魚選びがとっても楽しくなります。

イネゴチ(稲鯒)のおもしろ情報

コチ(鯒)のことわざ

コチは夫婦仲がいい

コチは雄雌つがいで生活しています。コチが1尾つれると必ず夫婦の片割れが釣れるそうです。

照りゴチ

コチは真夏の猛暑が続く時期が旬と言われています。
この時期のコチのことを表わします。

イネゴチ(稲鯒)の地方名

イネゴチ(稲鯒)は地域によりユニークな名前で呼ばれています。

・ホンゴチ:和歌山県
・イナゴチ:富山県
・アジナゴチ:富山県
・チャマゴチ:富山県
・ゴンボゴチ:富山県
・バンゴチ:富山県
・スゴチ:広島県
・コチ:新潟県、三重県
・ワニゴチ:神奈川県
・オニゴチ:長崎県
・コチ:東京都
・メゴチ:和歌山県、兵庫県
・ハリゴチ:静岡県

イネゴチ(稲鯒)が付く地名

イネ(稲)が付く地名

・稲城市(いなぎし):東京都
・稲沢市(いなざわし):愛知県
・稲敷郡阿見町(いなしきぐんあみまち):茨城県
・稲敷郡河内町(いなしきぐんかわちまち):茨城県
・稲敷郡美浦村(いなしきぐんみほむら):茨城県
・稲敷市(いなしきし):茨城県
・加古郡稲美町(かこぐんいなみちょう):兵庫県
・札幌市手稲区(さっぽろしていねく):北海道
・千葉市稲毛区(ちばしいなげく):千葉県

イネゴチ(稲鯒)のまとめ

イネゴチは、マゴチより少し味が落ちますが、コチらしい上品な味わいで美味しい魚です。
イネゴチはクセがない味わいで、お刺身はもちろんどんな調理法でも美味しい魚です。
イネゴチは雑魚として流通していることが多く、比較的安価なことも魅力のひとつです。

ご興味のある方は、お問い合わせください。

きのした生魚店には個性あふれる鮮魚が揃っています。

今日もいい一日になりますように。

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