ニシン(春告魚)の秘密すべてご紹介!基礎知識からおもしろ雑学までやさしく解説

おはようございます。

新年明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
昨年末も、たくさんのお客様にお正月用商品をご注文いただき、大盛況に終わりました。
誠に、ありがとうございます。

お正月用商品の中で特に人気のあった縁起物の「数の子」。
数の子は何の子かご存知でしょうか。
数の子はニシンの卵巣です。
数の子は馴染みのある食べ物ですが、近年ではニシンの成魚を食べたことがあるという方は少ないのではないでしょうか。
一部の地域でのみ消費されている印象があります。

基礎知識からおもしろ雑学まで、今日はニシンの秘密すべてご紹介します。

ニシン(春告魚)の基本情報

ニシン

ニシン(春告魚)の種類・寿命

ニシンは顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区新骨亜区正新骨下区側ニシン上目ニシン目ニシン科ニシン亜科ニシン属に属します。
ニシンのなかまには、「タイセイヨウニシン」「サッパ」「マイワシ」「ミズン」「ヤマトミズン」「ドロクイ」「オグロイワシ」などがいます。

ニシンは半年で10センチ程度、1歳で15センチ程度、2歳で20センチ程度、3歳で25センチ程度、5歳で30センチ程度まで成長します。
ニシンの寿命は18年程度です。

ニシン(春告魚)の生態・食性

ニシンは冷たい海を好む魚で、日本では北海道から島根県までの日本海側と、北海道から茨城県までの太平洋側に分布しています。
ニシンは水深100から200メートルほどの海域に生息しており、甲殻類や小魚を食べて生活しています。

またニシンの産卵期は地域により異なり、厚岸湾では12月頃で、北海道では3月から6月頃です。

ニシン(春告魚)の特徴と代表産地

外見 体長は30センチ程度
体重は300グラム程度
体形は細長く側扁している
背が黒く、腹が白い
腹ビレが頭部から離れている
小さいウロコが付いている
クセのある白身
血合いが大きい
豊かなうま味がある
身に脂がある
皮下に脂の層がある
小骨が多い
熱しても硬くならない
2月~5月
漁方 刺し網
定置網
産地 北海道
青森県
宮城県

輸入
アメリカ
カナダ
ロシア
ノルウェー

ニシン(春告魚)の由来の秘密

ニシン(春告魚)の由来

ニシンの由来は諸説あり、「二親(にしん)」と「二身(にしん)」が有名です。
「二親」とは両親のことを意味しており、お盆やお正月に両親の長寿を祈ってニシンを食べていたことが由来です。
「二身」はニシンの身を二つに割いて食べていたことが由来です。

ニシン(春告魚)を漢字で書くと「鯡」

ニシンを漢字で書くと「鯡」です。
ニシンは江戸時代の松前藩ではお米の代わりにニシンを年貢として納めていました。
そのためニシンは「魚に非(あら)ず、米なり」と言われ、「魚」ヘンに「非」で「鯡(にしん)」と書きます。

また、ニシンは春が旬の魚で「春告魚(はるつげうお)」と呼ばれており、春の季語となっています。

ニシン(春告魚)を英語で書くと「Pacific herring」

ニシンを英語で書くと「Pacific herring」です。
「Pacific」は、英語で「太平洋」という意味です。
「Herring」は、英語で「ニシン」という意味です。
タイセイヨウニシンと区別するため、このように呼ばれているのだと思います。

ニシン(春告魚)の栄養

ニシンはDHAやEPAなどのオメガ3を豊富に含んだ食材です。
どのような栄養があるかまとめました。

・DHA(脳細胞の活性化や脳の発達に働きかける)
・EPA(血液をサラサラにし、中性脂肪を下げる)
・タンパク質(筋肉細胞の維持、免疫力高上)
・ナイアシン(血行促進、冷え性改善)
・ビタミンA(皮膚や粘膜を正常に保つ)
・ビタミンB群(神経の機能の正常化)
・ビタミンD(カルシウムの吸収を促進)
・ビタミンE(抗酸化作用)
・鉄分(貧血の防止)
・葉酸(細胞の生まれ変わりを助ける働き)
・リン(歯や骨を丈夫にする)
・マグネシウム(カラダの代謝を促す)
・カルシウム(骨を強くし骨粗鬆症を予防)
・カリウム(細胞内の浸透圧を調整、むくみ防止)
・グルタミン酸(興奮系の伝達物質を分泌させる)
・グリシン(肌のハリと弾力を保つ)
・ロイシン(筋肉のエネルギー源)
・リジン(カラダの免疫力を高める)
・アスパラギン酸(ミネラルを体内に取り込む)
・アラニン(二日酔いの改善)

ニシン(春告魚)の目利きポイント!

ニシン(春告魚)にも個体差は必ずあります。一人ひとりみんな個性があるようにニシン(春告魚)にも個性があります。下記をご参考にわたし好みのMyニシン(春告魚)を是非見つけてください。

1.カラダがふっくらしている
2.カラダが潤っている
3.ウロコが剥がれていない
4.目が澄んで赤くない
5.エラが鮮やかな紅色

よくわからない!という方ご来店ください。店主が詳しく解説します。
いつもと違う見方をすると魚選びがとっても楽しくなります。

ニシン(春告魚)のおもしろ情報

ニシン(春告魚)の地方名

ニシン(春告魚)は地域によりユニークな名前で呼ばれています。

・エロキ:北海道
・カド:青森県、秋田県、山形県
・カドイワシ:青森県、秋田県
・サメイワシ:長崎県
・チャット:岩手県
・ニシ:青森県
・ニシンイワシ:富山県
・ニスン:北海道
・ハナグロ:北海道
・ハナジロ:北海道
・ヘロキ:北海道
・ヤナバ:岩手県

ニシン(春告魚)の付く地名

・糸谷新(いとだにしん):富山県南砺市
・十二神(じゅうにしん):新潟県阿賀野市
・寺谷新田(てらだにしんでん):静岡県磐田市
・名瀬朝仁新町(なぜあさにしんまち):鹿児島県奄美市
・西代(にしんだい):奈良県磯城郡田原本町
・二神町(にしんちょう):京都府京都市上京区
・八尾町小長谷新(やつおまちこながたにしん):富山県富山市

ニシン(春告魚)のまとめ

ニシンは日本人に馴染みの深い魚でしたが、近年では珍しい魚となっています。
産地ではお刺身でも食べられていますが、広島県には生魚のニシンはほとんど流通していません。
ニシンの漁獲量は昔と比較すると減少してきています。
実は、お正月に縁起物として食べている数の子ですが、国産はほんのわずかでほとんどが輸入ものです。
輸入の数の子でも十分おいしく、そしてとても高級品なのですが、、(*^-^*)
ご興味のある方はぜひお問い合わせください。

きのした生魚店には個性あふれる鮮魚が揃っています。

今日もいい一日になりますように。

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