カラス(ガトラ)の秘密すべてご紹介!基礎知識からおもしろ雑学までやさしく解説
おはようございます。
トラフグと見間違えるほど姿カタチがそっくりな、「カラス」。
また、漁獲量も少ないためトラフグほどの認知度もありません。
フグの中ではトラフグの次に高級な種で、味もとても美味しいといわれています。
トラフグの代用品としても用いられるため、知らない間に食べたことがあるかもしれません。
基礎知識からおもしろ雑学まで、今日はカラスの秘密すべてご紹介します。
目次
カラス(ガトラ)の基本情報
カラス(ガトラ)の種類・寿命
カラスは顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系フグ目フグ亜目フグ科トラフグ属に属します。
カラスのなかまには、「トラフグ」「クサフグ」「ショウサイフグ」「マフグ」「シマフグ」「アカメフグ」「ゴマフグ」「コモンフグ」「ヒガンフグ」などがいます。
カラスは中型のフグで50センチ程度まで成長します。
また、カラスの寿命は10年ほどです。
カラス(ガトラ)の生態・食性
カラスは日本近海では北海道から九州まで広く分布しており、水深50から100メートルの海域に生息しています。
カラスは小魚やエビ・カニなどを食べて生活しています。
また、カラスの産卵期は4から5月頃です。
カラス(ガトラ)の特徴と代表産地
外見 | 体長は50センチ程度 体形は紡錘形 背が黒く、腹が白い カラダに大きな黒い斑紋がある 背と腹に小さいトゲがある 尻ビレが黒い 尾ビレが丸い 腹ビレが無い |
味 | 引き締まった白身 淡泊な味わい 身は弾力がある 皮は厚く歯ごたえがいい 白子はとろける 筋肉、皮膚、精巣は無毒 卵巣と肝臓は強毒 |
旬 | 11月~3月 |
漁方 | 延縄 |
産地 | 山口県 |
カラス(ガトラ)の由来の秘密
カラス(ガトラ)の由来
トラフグが白っぽいのに対し、カラスは体色が全体に黒いため、黒から連想される「カラス」と呼ばれた。
カラス(ガトラ)を漢字で書くと「烏」
カラスを漢字で書くと「烏」です。
カラスは体色が黒く鳥のカラスに似ていることから、「烏」と書きます。
鳥のカラスと同じ漢字を書くため、「烏河豚(カラスフグ)」とも書きます。
カラス(ガトラ)を英語で書くと「Eyespot puffer」
カラスを英語で書くと「Eyespot puffer」です。
「Eyespot」は「目玉模様の」という意味で、体側にある大きく黒い斑紋を指しています。
「Puffer」は「膨らんだ」という意味で、「フグ」を指します。
カラス(ガトラ)の毒
フグにはテトロドトキシンという猛毒があります。青酸カリの500から1000倍ほどの毒性があると言われています。
フグの種類により毒の部位や強さは様々ですが、ほとんどのフグがこのテトロドトキシンを持っています。
フグには青酸カリの850倍の毒性をもつテトロドトキシンがあります。
猛毒を持っている理由はテトロドトキシンを多く含むヒトデ等を多く捕食しているからです。
フグの毒がある部位は決まっており、筋肉(身)・皮膚(皮)・精巣(白子)は無毒と言われています。
誤ってテトロドトキシンが体内に入ってしまうと、吐き気や痙攣などの症状が現れ最悪の場合は命を落としてしまいます。
ですので、フグの調理は安心できるお店にお任せしましょう!
カラス(ガトラ)の栄養
カラスはとっても淡泊な白身魚でコラーゲンが豊富な魚です。
どのような栄養があるかまとめました。
・タンパク質(筋肉細胞の維持、免疫力高上)
・カリウム(細胞内の浸透圧を調整、むくみ防止)
・コラーゲン(皮膚の弾力や損傷を修復)
・ビタミンB群(神経の機能の正常化)
・ビタミンE(抗酸化作用)
・葉酸(細胞の生まれ変わりを助ける働き)
・ビタミンD(カルシウムの吸収を促進)
・カルシウム(骨を強くし骨粗鬆症を予防)
・鉄分(貧血の防止)
・亜鉛(肌荒れ予防)
・ナイアシン(血行促進、冷え性改善)
・マグネシウム(カラダの代謝を促す)
・リン(歯や骨を丈夫にする)
カラス(ガトラ)の目利きポイント!
カラスの目利きは難しいため、信頼のおけるお店に任せましょう!
スーパー等でも見かけるフグの刺身(てっさ)に関しては、できる限り身に透明感があるものを選ぶといいです。
トラフグのさばき方
店主がトラフグを刺身(てっさ)・鍋(てっちり)用にさばきます。
トラフグには猛毒がありますので、フグ調理師免許取得もしくは娯楽としてご覧ください。
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カラス(ガトラ)のおもしろ情報
フグのことわざ
河豚は食いたし命は惜しし(ふぐはくいたしいのちはおしし)
フグは食べたいけど命は惜しいということから、快楽や利益は得たいけどその後のたたりを考えるとためらってしまうこと。
河豚食う馬鹿、河豚食わぬ馬鹿(ふぐくうばか、ふぐくわぬばか)
フグを食べて死んでしまうのも愚かだけど、フグを食べず美味しさを知らないことも愚かだということ。
あなたならこの時代にフグを食べたでしょうか?私はきっと食べたと思います。
河豚にもあたれば、鯛にもあたる(ふぐにもあたれば、たいにもあたる)
運が悪い時はフグでなくても当たってしまうということから、いつどこで何が起こるかはわからないということ。
カラス(ガトラ)の地方名
カラス(ガトラ)は地域によりユニークな名前で呼ばれています。
・ガトラ:山口県
・クロ:山口県
・ウワフク:福岡県
・ガアブク:福岡県
カラス(ガトラ)の付く地名
・那須烏山市(なすからすやまし):栃木県
・梅屋町御池通烏丸東入(うめやちょうおいけどおりからすまひがしいる):京都府京都市中京区
・大野鴉ケ岡(おおのからすがおか):広島県廿日市市
・大宅烏田町(おおやけからすだちょう):京都府京都市山科区
・鹿島区烏崎(かしまくからすざき):福島県南相馬市
・上烏川(かみからすがわ):宮城県刈田郡七ヶ宿町
・上烏田(かみからすだ):千葉県木更津市
・烏江(からすえ):岐阜県養老郡養老町
・烏川(からすかわ):秋田県由利本荘市
・鴉ケ島(からすがしま):新潟県長岡市
・烏ケ台(からすがだい):茨城県ひたちなか市
・烏ケ辻(からすがつじ):大阪府大阪市天王寺区
・烏ケ森(からすがもり):栃木県下野市
・烏川岳(からすがわだけ):宮城県刈田郡七ヶ宿町
・唐杉(からすぎ):栃木県那須塩原市
・香良洲町(からすちょう):三重県津市
・香良洲町稲葉(からすちょういなば):三重県津市
・香良洲町川原(からすちょうかわはら):三重県津市
・香良洲町小松(からすちょうこまつ):三重県津市
・香良洲町桜町(からすちょうさくらまち):三重県津市
・香良洲町地家(からすちょうじけ):三重県津市
・香良洲町砂原(からすちょうすなはら):三重県津市
・香良洲町高砂(からすちょうたかさご):三重県津市
・香良洲町浜浦(からすちょうはまうら):三重県津市
・香良洲町馬場(からすちょうばば):三重県津市
・烏手(からすで):高知県高岡郡四万十町
・烏出川(からすでがわ):高知県高岡郡津野町
・鴉根町(からすねちょう):愛知県半田市
・烏原町(からすはらちょう):兵庫県神戸市兵庫区
・烏丸(からすま):京都府京都市下京区
・烏丸町(からすまちょう):京都府京都市上京区
・烏森(からすもり):青森県五所川原市
・烏杜(からすもり):愛知県犬山市
・烏山(からすやま):茨城県土浦市
・嘉良寿理(からすり):茨城県石岡市
・烏脇(からすわき):滋賀県米原市
・象潟町烏島(きさかたまちからすじま):秋田県にかほ市
・北烏山(きたからすやま):東京都世田谷区
・五条烏丸町(ごじょうからすまちょう):京都府京都市下京区
・下烏田(しもからすだ):千葉県木更津市
・修学院烏丸町(しゅうがくいんからすまるちょう):京都府京都市左京区
・新烏丸頭町(しんからすまかしらちょう):京都府京都市上京区
・鷹司町下長者町通鳥丸西入(たかつかさちょうしもちょうじゃまちどおりからすにしいる):京都府京都市上京区
・醍醐烏橋町(だいごからすばしちょう):京都府京都市伏見区
・豊玉町唐洲(とよたままちからす):長崎県対馬市
・中烏田(なかからすだ):千葉県木更津市
・東九条烏丸町(ひがしくじょうからすまちょう):京都府京都市南区
・東九条北烏丸町(ひがしくじょうきたからすまちょう):京都府京都市南区
・東九条南烏丸町(ひがしくじょうみなみからすまちょう):京都府京都市南区
・東野町烏森(ひがしのちょうからすもり):愛知県江南市
・東町中立売通烏丸西入(ひがしまちなかだちうりどおりからすまにしいる):京都府京都市上京区
・久居烏木町(ひさいからすぎちょう):三重県津市
・保原町烏内(ほばらまちからすうち):福島県伊達市
・堀金烏川(ほりがねからすがわ):長野県安曇野市
・南方町烏田(みなみかたまちからすだ):宮城県登米市
・南烏山(みなみからすやま):東京都世田谷区
カラス(ガトラ)のまとめ
カラスは高級魚として流通しておりとても美味しい魚ですが、認知度がとても低い魚です。
トラフグの代用として用いられるほど、トラフグと比較しても遜色ない味わいです。
カラスは漁獲量も少なくとても希少な魚ですので、お目にかかったときはぜひ食べていただきたいです。
興味のある方は、ぜひお問合せください。
きのした生魚店には個性あふれる鮮魚が揃っています。
今日もいい一日になりますように。