サトウガイ(佐藤貝)の秘密すべてご紹介!基礎知識からおもしろ雑学までやさしく解説

おはようございます。

一般の方はアカガイと見分けることが難しく、お寿司屋さんでもアカガイの代用として使われている「サトウガイ」。
内湾に生息しているのがアカガイで、外洋に生息しているのがサトウガイです。

アカガイを「本玉」と呼ぶのに対し、サトウガイは「ばち玉」と呼ばれています。
「ばち玉」とは、「場違い」という意味にちなんでいます。
昔はアカガイより味が少し劣るといわれていましたが、近年では甲乙つけがたい味わいと評価されています。

基礎知識からおもしろ雑学まで、今日はサトウガイの秘密すべてご紹介します。

サトウガイ(佐藤貝)の基本情報

サトウガイ

サトウガイ(佐藤貝)の種類・寿命

サトウガイは軟体動物門二枚貝綱翼形亜綱フネガイ目フネガイ科リュウキュウサルボウ属(アカガイ属)に属します。
リュウキュウサルボウ属のなかまには、「アカガイ」「クイチガイサルボウ」「クマサルボウ」「サルボウガイ」「リュウキュウサルボウ」などがいます。

サトウガイの寿命はアカガイより短く8年ほどと言われています。

サトウガイ(佐藤貝)の生態・食性

サトウガイは千葉県よりも南の海域に分布しており、太平洋側や日本海側の外洋に面した砂地に生息しています。
水深10メートルから50メートルほどの比較的浅い海で、植物プランクトンを食べて生活しています。
ハマグリやアサリと同じ二枚貝ですが、海水を体内に取り込む水管がないため砂の中に深くもぐることができません。

また、サトウガイの産卵期は夏です。

サトウガイ(佐藤貝)の特徴と代表産地

外見 殻長は10~12センチ程度
殻に放射状の溝が38本ある
茶色い毛でおおわれている
殻に膨らみがある
殻がアカガイより白っぽい
ヘモグロビンを含んでいるため血が赤い
甘味とうま味のバランスがいい
アミノ酸豊富で味わいゆたか
身に厚みがあり独特の食感がある
特有の渋みがある
足だけでなくヒモも美味しい
12月~3月
漁方 底曳網
産地 千葉県

サトウガイ(佐藤貝)の由来の秘密

サトウガイ(佐藤貝)の由来

サトウガイは、幕末に徳川幕府を打倒する薩摩藩や長州藩を助けたとされているイギリスの外交官アーネスト・サトウ(1843〜1929)にちなみ、「サトウガイ」と呼ばれました。
サトウガイを好んで食べていたのかもしれません。

サトウガイ(佐藤貝)を漢字で書くと「佐藤貝」

サトウガイを漢字で書くと「佐藤貝」です。

サトウガイは、幕末に徳川幕府を打倒する薩摩藩や長州藩を助けたとされているイギリスの外交官アーネスト・サトウ(1843〜1929)の和名「佐藤愛之助」にちなみ、「佐藤貝」と書きます。

サトウガイ(佐藤貝)を英語で書くと「Bloody clam」

サトウガイ(佐藤貝)を英語で書くと「Bloody clam」

サトウガイを英語で書くと「Bloody clam」です。
「Bloody」は、英語で「血に染まった」という意味で、サトウガイの身にヘモグロビンが多く含まれていることからです。
「Clam」は、英語で「二枚貝」という意味です。

サトウガイ(佐藤貝)の栄養

サトウガイはアミノ酸が豊富でとても旨味の強い貝です。
どのような栄養があるかまとめました。

・鉄分(貧血の防止)
・ビタミンA(皮膚や粘膜を正常に保つ)
・ビタミンB群(神経の機能の正常化)
・ビタミンD(カルシウムの吸収を促進)
・ビタミンE(抗酸化作用)
・タンパク質(筋肉細胞の維持、免疫力高上)
・パントテン酸(糖質、脂質の代謝を促す)
・葉酸(細胞の生まれ変わりを助ける働き)
・リン(歯や骨を丈夫にする)
・ナイアシン(血行促進、冷え性改善)
・マグネシウム(カラダの代謝を促す)
・カルシウム(骨を強くし骨粗鬆症を予防)
・カリウム(細胞内の浸透圧を調整、むくみ防止)
・アスパラギン酸(ミネラルを体内に取り込む)
・グルタミン酸(興奮系の伝達物質を分泌させる)
・グリシン(肌のハリと弾力を保つ)
・ロイシン(筋肉のエネルギー源)
・リジン(カラダの免疫力を高める)

サトウガイ(佐藤貝)の5つの目利きポイント!

サトウガイにも個体差は必ずあります。一人ひとりみんな個性があるように サトウガイにも個性があります。下記をご参考にわたし好みのMy サトウガイを是非見つけてください。

1.貝殻に丸みがありコロンとしている
2.持った時に重みを感じる
3.貝殻がしっかり閉じている
4.身の赤身が強い
5.まな板にたたきつけると反り返る

よくわからない!という方ご来店ください。店主が詳しく解説します。
いつもと違う見方をすると魚選びがとっても楽しくなります。

アカガイのさばき方

店主がアカガイをお刺身にさばきます。1ステップずつ丁寧にご紹介します。
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サトウガイ(佐藤貝)のおもしろ情報

アカガイ・サトウガイ・サルボウのちがい

残念なお知らせですが、実は缶詰のアカガイの原料は「サルボウ」です。

アカガイの漁獲量減少にともない近縁種(きんえんしゅ)の「サトウガイ」や「サルボウ」が代用されていることが多くなっています。
アカガイを食べたと思っていても実は「サルボウ」だったなんてことも・・・
おいしいなら良しとしますが、目利きはできるようになっておきたいですよね。

アカガイと近縁種(きんえんしゅ)の見分けるポイントは貝殻に入っている放射状の溝の数です。
・アカガイ : 42・43本
・サトウガイ : 38本
・サルボウ : 30~32本

また、アカガイと比較し「サトウガイ」や「サルボウ」は小さいモノが多いです。

サトウガイ(佐藤貝)の地方名

サトウガイ(佐藤貝)は地域によりユニークな名前で呼ばれています。

・アカガイ
・ジジイガイ
・チガイ
・ハーモガイ
・バチ
・バチダマ
・バッチ
・ババガイ
・マスガイ
・モガイ

サトウガイ(佐藤貝)の付く地名

・佐藤池新田(さとうがいけしんでん):新潟県柏崎市

サトウガイ(佐藤貝)のまとめ

サトウガイはアカガイの代用品として、お寿司屋さんでもよく用いられます。
見る人が見ると、アカガイより赤味が弱くオレンジ色をしているサトウガイですが、味わいは甲乙つけがたいです。
私はアカガイが大好きですが、きっとサトウガイを出されても気付かず美味しく食べているのだろうなと思います( ;∀;)
ご興味のある方はぜひお問い合わせください。

きのした生魚店には個性あふれる鮮魚が揃っています。

今日もいい一日になりますように。

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